「民青新聞」記者の富山健です。
11月17日付の「民青新聞」(1、2面)で、派遣切りの実態をとりあげました。1面のほうでは、日野自動車、トヨタで派遣、期間工員として働く青年の声を紹介しました。以下は、1面の記事です。
ぼろもうけの果てに派遣切り、こんなことを許さないため、紙面づくりに、運動に力を入れたいと思います。
「ネットカフェ生活も」・・・また一から仕事さがす
「10月末で契約おわるから」
田中敦史さん(27)は7月、派遣会社担当者からこう告げられました。
日野自動車の東京・羽村工場。田中さんはエンジンの電気系統にかかわる部署で、昼勤と夜勤をそれぞれ1週間交代でくり返す派遣の仕事に2年半勤務してきました。「もう少しお金を貯めないと車の免許をとれないのに…」。それでも「また仕事さがすしかないな」と割り切ったといいます。
23歳で実家の長崎から上京。「寮つきの派遣で6カ月の契約。最初は半年だけで帰るつもり」でした。友人がふえ、東京の生活にも慣れたことで、契約を更新し一年勤務。その後、恋人と同居し、医療機器メーカーの派遣で働きましたが、彼女と別れたことで家を出ることになり、再び羽村工場の派遣に戻ります。
「ネットカフェに泊まったこともあった。家も家財道具もないし貯金もないから、寮のあるところを探すしかないんです」
同じ部署で2年半勤務するなかで、正社員に仕事を教えることもしばしば。社員から「期間工にならないか? つづければ社員になれる可能性もある」と声をかけられるなど、頼りにされる存在に。しかし、昼夜2交代の肉体労働は「一生できる仕事じゃない」と感じていた田中さんは、「引っ越し費用や家具代、車の免許を取るお金を溜めたら、それで辞めよう」と、人生の再スタートの準備期間と位置づけて、黙々と働いてきました。
そこに降りかかった雇い止めの話。「また一から仕事をさがし、覚えていかなきゃいけない。まぁ就職さえできれば、仕事もがんばるし職場でも仲良くやっていけると思うけど、そもそも仕事に就くまでがたいへんじゃないですか」
寮を出て安アパートに引っ越した田中さん。知人に頼んで、不要になった家具や生活道具を集めています。
「同僚が次つぎ・・・」――5800人切るトヨタ
「トヨタ、営業益7割減」「期間従業員3000人に半減」(「日経」7日付)――いま自動車メーカーがいっせいに「減益」を発表し、それを理由に当たり前のように派遣労働者や期間社員の削減をすすめています。
「明日、同僚が1人いなくなります。12月も2人いなくなる」
トヨタのある工場で期間社員として2年勤務する浜本一哉さん(28)は、非正規労働者が次つぎ切られる現状をこう告発します。
「6月末にGL(組長)から『知っての通り、一年未満の人は契約満了となります。延長はできません』といわれました。アメリカの金融危機のせいで減産になるとウワサされていたので、みんなやっぱりという感じでした。喫煙所にいくとみんな暗い顔をしてましたね。雇い止めなので、入った順に、最初はKさん、次はAさんと何人も去り、工場全体でもう2~3割へりました。先週まで2人で協力してやってた作業を、いまはぼく一人でやってる。生産台数はへってるけど仕事はキツくなってるんです」
トヨタ自動車は現在6千人いる期間社員を3千人程度に半減すると発表。ことし3月時点の8800人から5800人も削減することになります。
切られているのは一年目の期間社員。「トヨタは細切れ契約で、最初の契約期間が半年、二度目が4カ月、三度目が2カ月です。2年目の人は一年契約になるから途中では切れない」と浜本さん。「切られる人には期間満了の手当てが払われます。半年の人で30万円ほどですが、それがもらえるので、仕事もキツいし、このへんでやめてもいいかなとみんな思ってる。けど、次の仕事のことを考えたら、一体どうなるのかと思いますね。来月切られる人のなかには40代もいるんですよ」
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